2016.11.25
漆黒の宙に浮かんだ舟一そう
何をか語らん そばにひと星
未明混沌の宙で、月と星が遊んでいた。
月は細く舟のようになって
波音も立てずに静かに浮かんでいる。
そこへ星が遊びに来た。
そばにいるのが気持ちいいね、と
何を話すでもなく、
静かに寄り添って、並んでいる。
いっしょに浮かんで
いっしょに揺れて
いっしょに眺めて
いいねっていうと、いいねってこたえる。
あれは地球だね。
うん、あれは地球だね。
シーンとしているね。
そうだね、シーンとしているね。
月も星も、それぞれ巡りのサイクルをもち、
時々巡りあうと、いっしょの時をそんな会話で楽しむ。
宇宙のあちこちで星たちは語り合っているかもしれない。
地球のあちこちで、私たちももっと語り合おう。
(翌日の詩)
同じ日はない
昨日仲良く並んで
語り合っていたかのような月と木星
今日も一緒かなと見上げると
そこに月の姿はなかった
木星だけが
ひとり光っていた
ああ、そうなのだ
昨日と同じなんてことはないのだ
木星はさびしい?
悲しい?
いや、多分、
さびしくも悲しくもない
そうだとわかっているから
ずっと前から知っているから
自分
全体の中のひとつ
宇宙の中のわたし、あなた
出逢ったその時、今を大切にしたい
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